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ディノはもので埋め尽くされた机の上を乱暴にかき分けて、ちょっとしたスペースを作った。
そこに二人分の皿とカップを載せた。
「よし、食おう」
ぞんざいな言葉にルサルカはいただきます、と寝ぼけたまま答え、おもむろにカップの中身を一口飲んだ。
「ッ!」
同時に咳き込む。
コーヒーじゃないか!
ルサルカは昨日、知ったばかりの慣れない苦さに涙を浮かべた。
ディノは気にする様子もなく、トーストを齧りながら手元のメモを読み始めた。
「今日は午前中に庭仕事。午後は公園の遊具の取り壊し作業の手伝いだ。傷に触らない程度にしっかりな」
「はい」
コーヒーの苦さから、やっとルサルカは応えて、トーストにかじりついた。
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