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帰路の途中、子供の群れと行き違う。
それをディノは複雑な意思の絡んだ目で見ていた。
本来なら、ディノにも子供がいてしかるべき歳だろう。
ディノには家族がいないのだろうか。
ルサルカは不意にそんな疑問を持った。
しかし、質問はしない。
知ったところで何があるわけでもないし、それに何より――家族という単語がルサルカの胸を圧迫する。
「よし、何か食いに行くか?」
しばらく無言のうちに歩いていると、ディノが切り出した。
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