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ディノの家についた途端に、ルサルカはばったりと倒れ伏した。
思えばこんなに労働したのは初めてだった。
庭仕事が終わってから、ワゴンで軽食を食べ、午後の仕事へすぐ向かった。
遊具の解体はだいぶ骨の折れる作業だった。
使える道具は工具箱の中だけ。
ルサルカはひたすら木製のブランコを鋸で細かく切り分ける作業に没頭していた。
床に転がって体の力を抜いた時にルサルカは疲労を実感する。
軋む身体中の関節やつったように痛む筋肉。
そして如何ともし難い脱力感。
初めての仕事だ。疲れるのも無理ないだろうとディノはほっといてくれた。
「そうだ」
と、その静寂に付け足すようにいう。
「シャワーでも浴びて汗を流すといいさ。場所は分かるな?」
ルサルカは素直に頷くとおぼつかぬ足取りで風呂場へ向かった。
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