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「覚えてない……?」
彼女は僕を見上げて、悲しそうな顔をして、聞いてくる。
「……ごめん」
心当たりが全く無いので、心苦しいが素直に答える。
「祐司……何歳?」
彼女は多少傷付いた表情をしつつも続けて問う。
「いま……17。高2だよ」
「うわぁ……もうそんなに経ったんだ……」
なら、仕方ないか。と小さく呟いて、彼女は僕から離れた。
「えっと、逢坂桜花です。宜しくね?」
自己紹介をして、再び僕に抱き着く。
「……いまのそぶりだと、前に会ったことが有るの?」
不思議に思ったので、聞いてみる。
すると、彼女、桜花はこくりと頷いて、
「あるよ」
と答えた。
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