枯れ木道 淋しい祠と 優しい子

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それは、まだ祐司が小さい頃の、春の話し。 「ふぁ……」 地区の集会から逃げ出してきた祐司は、あちこちを探索していた。 集会場は山の麓に有り、少し山に入ると雑木林が広がっている。そこを、祐司は遊び場として、探索していた。 「おろ?」 暫く上っていると、小さな並木道に出た。 人が立ち入った形跡も無く多少荒れたその並木道。 その脇には、小さな祠が有った。 「神様だ~!」 祠イコール神様。というイメージが有った祐司は、ぱたぱたと祠まで駆けていくと、祠を覗き込んだ。 そこには、小さな像が置かれ、その前には小さな台が有り、お皿や、鉄製の花瓶が有った。 しかし、手入れはされておらず、寂れていた。
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