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『ま、いいか』
いや、良くないだろ!!
近づいてくる結城の顔に岬は‥
『あ゙~~~っもうっ!わかりましたよっ!言えばいいんでしょう!!言・え・ばっっ!!えぇそうですよ!財宝を発掘にも金が掛かるんです。最近やっと手に入った海賊の金庫と呼ばれている島の地図だって‥‥‥
行くまでにどれだけ金が掛かるか!……でなければ、この僕が面倒くさい体育祭なんかに頼まれても出るわけないでしょう! ふんっ!』
結城に奪われた眼鏡を乱暴に取り返すと、
仕返しとばかりにテレビ局のカメラの死角を狙って、結城の脇に思いっきり肘鉄を喰らわせた。
『~~~っ あの野郎っ』
結城としてはカマをかけてみたわけだが、まさか本当にあったとは思っていなかった。
一方、満たちは途中までは見守っていたが、周りの報道陣たちに囲まれ‥ それどころではなかった。
――… 危なかった。
岬は結城たちに背を向け、一人‥ いや、途中で拾ったモコモコを抱えて学園への帰路を歩いていた
興奮は治まったと思っていたが、まだ冷めていなかったか‥。
本当に危なかったのは結城先生‥。危なく、結城先生を手に掛けるところだった。
興奮していないときは眼鏡はただのカモフラージュに過ぎない。だが、興奮しているときは”力”を抑える為の呪具へと成り代わる。
暴走した力を… 僕を止めることが出来るのは”彼ら”だけ--
岬はクスッと小さく笑うと、何やら下で喚いてるヒツジにデコピンを喰らわした。
『~~~~っ』
岬にデコピンされた額を短い両手で押さえるモコモコに岬はまた小さく笑った。
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