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いつしかそれは各種族の間で掟となり、幼き頃から絶対に破ってはならない事として教え込まれた。
そして成人になる時、改めて念を押されるのである。
岩山の中腹に、山肌を削り出した遺跡のような居住空間が幾つも点在する中、一際大きな空間に褐色の翼を有した翼人が集っている。
そこは、鷹翼族の神殿であった。
「ホークよ、儀式の間に入るのだ」
「はい」
年老いた翼人は、一族の族長として少年の翼人に声をかけた。
ホークと呼ばれた少年の背には、周囲の翼人のそれとは違う薄汚れたような、白い翼がゆっくり羽ばたいていた。
そう、成人の儀とは翼が生え変わる時に行う儀式である。
「行って参ります」
ホークは族長に一礼すると、観音開きの石戸の内側に歩を進めた。
そこが、儀式の間。
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