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儀式の間は、大人が両手と翼を広げてもゆとりある広さで、少年で頼りない翼のホークには十分な広さだった。
成人になる翼人は儀式の際、片方の膝を付き頭を垂れて翼を広げるのが慣わしで、ホークもそれに習い膝を付いた。
「扉を閉めよ」
族長の合図で、屈強な4人の翼人が観音開きの石の扉を、ゆっくりと閉じていく。
一際大きな音と共に扉が閉まると、族長の傍らに控えていた美しい娘の翼人達が、竹で拵えた小振りな笛で儀式を称える曲を奏でる。
そして、一同がそれに合わせて詠う。
それは、儀式の成功を祈る歌でありながら、何かの呪文の詠唱とも聞こえ、荘厳なる雰囲気が辺りを包み込む。
ホークの頭上からは、柔らかな光が降り注ぐ。
「あぁ……」
ホークは翼にむず痒い感覚を覚え、思わず声を漏らし更に頭を下げる。
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