84人が本棚に入れています
本棚に追加
雨粒の雫が落ちるように、ホークの翼から羽毛がハラリと落ちた。
翼に通った神経を抜け落ちる度に擽る羽毛は、次々と翼を離れて床へと舞い降りていく。
「あぁ……」
ホークは喘ぎながら、自らの羽毛が落ちながら降り注ぐ光を受け、まるで別の生き物のような様に目を奪われた。
やがて羽毛は、全て抜け落ちた。
「これで、成人に……」
抜け落ちた羽毛に体力を奪われたのか、ホークは身動きが取れず羽毛の上に崩れ落ちた。
そして、眠りに落ちる。
羽毛があるとはいえ、剥き出しの石の床は非常に冷たいが、ホークの目を覚ますほどではなかった。
その時、石の扉がゆっくりと開いた。
「急げ、ホークの体を冷やすな」
声の主は、族長だった。外から見えない筈だが、儀式の終わりを感じ取り扉を開かせた。
最初のコメントを投稿しよう!