巻の一 プロローグ

3/3
前へ
/119ページ
次へ
学園初登校。  朝のブルーな気分を無理矢理押し込み、学園への道のりを急ぐ私……。  家督を継ぐためには刀を取り返す事と、もう一つ捜さなければならないものがあったから――。 「私を守る剣士?」  首を傾げ父に問い掛ける。 「そうだ……。  綾小路家では、代々家督を継ぐ者が男子であれば守護術士――。  女子であれば守護剣士――。  自分を守る者として仕えさせねばならない決まりがある」  父は更に続けた。 「その剣士を捜す為に、お前を〈刀剣学園 正宗〉に編入しておいた。 明日から、通うように――」  相変わらず勝手なお父様の段取り……。  魔を封じる為の呪文を唱える間、私の身を守る剣士を捜す事か……。 (一生涯守るということは、私の未来の旦那様……?)  まだ見ぬ、守護剣士に、思いを馳せ、私は足早に学園へと向かっていった。
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加