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教室内
担任講師の山吹師範が、私をみんなに紹介する。
「今日から共に勉学と剣術を学ぶ事になった、綾小路君だ」
「綾小路 桜です。皆様、宜しくお願いします」
簡単な自己紹介の後、転校にありがちな男子学生達の興味津々の視線と、女子学生達の興味なさげな雰囲気を感じながら、私は山吹師範に指示を受ける。
「席は沖田の隣だ」
私は師範が指差した席に、着席した。
「綾小路 桜といいます。
宜しく、沖田君」
社交辞令のような挨拶を交わしてしまう私――。
沖田君は興味なさそうに、一瞬私をみた後
「名前はさっき聞いたから――。
一度聞けば十分……」
視線をすぐ校庭が見える窓へと、移してしまった。
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