巻のニ 出逢い

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「綾小路さんって術者なのに、何でこの学園に?」  休憩時間中、目の大きな人なつっこい感じの女子が一人私に話しかけてきた。 「術者でも多少は武の心得が無いといけないというのが、お父様の教えなので――。  えぇと……」  私が言葉に詰まっている事に気付いた彼女は、 「あぁごめんなさい。  私の名前は、椿 要。  かなめって呼んで ――。  綾小路さん」 「私も桜でいいですよ、要」 「桜も面倒くさい奴の隣になっちゃったね~」 「面倒くさいって、沖田君の事?」  隣にいない彼の席を見て私は要に聞いた。 「うん。  アイツ剣術の腕は上級生も認める程なんだけど、無口でさぁ――。  何考えてるんだかさっぱりわかんないんだよね。  私達とも交流ないしね」 「ふ~ん――。  そうなんだ」 「あ、そうだ!!  解らない事があったら、何でも聞いてね」 「うん!  ありがとう」  休憩時間の終わりを告げる鐘が鳴り、要は軽く手を振り席へと戻っていった。
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