春の風に吹かれて

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日本食育支援機構の裏付けもあり、男は幼少時からカレーを好んで食べていた。 しかし、ずっと疑問に思っていた事があった。始めはあくた程の興味でしかなかったそれは、月日が経つにつれ膨大な悩みへと姿を変えていった。 疑問に思ったその瞬間に人に答えを求めればよかったのだが、一度その機会を逃せば後はただただモヤモヤとした悩みとなって頭の中を占拠するだけとなり、なかなか人に聞く事が出来ないのは誰でも同じであろう。 特に彼の場合、他人に極力弱みを見せたくないという性格だった事も災いした。
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