4人が本棚に入れています
本棚に追加
首を振った先で爪牙は不可解な光景を見た。
その光景とは龍馬が目を見開いて冷や汗を流しながらテレビをガン見していたのだ。
ゲームのコントローラーを握る両手は一切ボタンに触れておらず、そのせいでゲーム上では戦闘中にも関わらず操作してるキャラが全く動いてなかった。
(どうしたんだ?)
疑問に思い、首を傾げながら読み途中の本を置いて龍馬の傍へ歩み寄る。
爪牙が近付いてきた事に龍馬は全く気付いておらず、相変わらず冷や汗を流しながら硬直している。
ますます疑問に感じた爪牙は、とりあえず戦闘中のまま放置されたゲームをポーズボタンを押して中断させた。
(これでこっちは良いな。後は、この馬鹿を・・・・)
「あっ、あれ?何で止まったの?」
「気がついたか」
今まで動いていた画面が止まったせいか、それかいきなり戦闘曲が無くなったせいか、どちらにしろ急な事に驚きを隠せない龍馬。
「ソガ兄がやったの?」
「まあな」
その龍馬に自分がやったと淡々と言う爪牙。
それから先程から疑問に思ってることを龍馬に問いかける。
「で、どうしたんだ?」
「どうした、って何が?」
「汗、凄いわよ」
明が自分の額を指しながら、龍馬に冷や汗が流れている事を伝える。
それを聞いて目を丸くする龍馬は、手で冷や汗を拭い、本当に冷や汗が流れていた事に気づく。
「ホントだ。けど、大丈夫だよ♪」
「そう?まあ、龍馬がそう言うなら良いけど、風邪の前兆かもしれないから気を付けなよ?」
「分かってる♪・・・・って、うわっ、何か凄い事になってるんだけど!!」
明に心配されながらも『大丈夫』の一点張りをする龍馬。
それを聞いた明は半ば諦めたように今後気を付けるように言い、龍馬は了承してゲームを再開させようとするが。
戦闘中で止められたゲーム画面は主人公とその仲間が二人ほどその場に倒れた状態だった。
最初のコメントを投稿しよう!