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『好きだよ』
それはどちらの言葉だったか。
夏休みの最後の日、俺は君と最初で最後のキスをした。
『ん、ッ…』
鼻から抜ける、君の音。
唇に触れた柔らかな感触。
抱き寄せた君の細身の体。
柔らかい色素の薄い髪。
全てがいとおしくて、俺は夢中でその唇を塞いだ。
離れない、ように。
『バイバイ』
君の手が離れた瞬間に気づいたのは、繋がれた自分の想いだった。
『、待って』
君は夏の終わりの夕暮れに、蝉時雨と供に消えていった。
手を伸ばせども、君は振り返えらない。
あれから俺は地元を出た。
彼女が出来ても長くは続かなくて、君に似た男性を探しては、君とは違うんだと離れた。
君は今、どこにいるの?
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