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──キーンコーン
カーンコーン‥
昼休みのチャイムが鳴り、皆が一斉に教室から出て行ったり、お弁当を開いてごはんを食べはじめる。
ななこの席にはいつも、親友の美優が来て、二人で一緒にごはんを食べる。
「みゅ~。喉渇いた~。お茶ちょーだい。」
美優は高校に入ってからの友達で、話すとすぐに意気投合して仲良くなった。
最初のうちは“美優ちゃん”と呼んでいたが、美優がちゃん付けで呼ばれるのが好きではないので、“みゅ~”と呼ぶようになった。
「あんた飲み物くらい買って来なさいよ。」
美優は、ほらとペットボトルを差し出して言った。
「ありがと!ゴク。ゴク。‥買ったよ?でもイチゴミルクはご飯に合わないでしょ?」
「いや。お茶買え。」
「だってそういう気分じゃなかったの~。」
美優は黒髪ストレートのパッツン前髪で、キリッとした目元が印象的な美人である。
美優にゴロゴロ擦り寄ると、おでこをペチッと叩かれた。
「甘えん坊か。」
「痛い‥。みゅ~酷い‥。」
その様子を見ていた二郎が駆け寄って来た。
「ちょっと、みゅ~!!?酷いじゃない!!!顔はやめて!!ななこの唯一の長所が無くなっちゃうじゃない!!!」
「二郎ちゃん‥酷い‥‥。」
ななこはジワリと涙目になった。
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