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「 お疲れ様でーす 」
「 あ、宏光!今日一緒に帰ろーよ! 」
「 あー‥わりぃ、用事入れちまった 」
「 そっ…か、じゃあ~、また明日ねっ! 」
そう言って太輔は楽屋を出て行った。
なんか様子おかしかったか?
その時俺は嫌な予感がしたんだ。
あの時、太輔と一緒に帰っていれば、
こんなことにならなかったのに。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
―コツ‥コツ‥コツ‥
さっきから太輔の後ろを
着いて歩くような複数の足音。
「 ‥‥‥っ 」
太輔はその場から走りだす。
最初は、追いかけるような足音も
しばらくすれば聞こえなくなっていた。
「 (諦めたかな‥‥) 」
太輔がホッと息をついた瞬間、
―バチバチッ
「 ‥ぁ‥っ!? 」
背中に電流が流れ、
太輔の膝がガクンと折れた。
地面に倒れ込む前に誰かの腕に支えられた。
「 おい、連れてくぞ 」
「 …ゃ……めっ… 」
「 ああ。急げ 」
体が痺れて上手く動けない藤ヶ谷を、近くに止めてあった車に押し込む。車内で太輔を囲んだのは4・5人の男。太輔の手首を頭上で縛り、着ていた服を剥ぎ取られる。
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