帰還する戦士

20/24
前へ
/279ページ
次へ
レイジが意識を失って、海面に浮かんだまま動かないのを暫く見下ろしたルリは、そのまま何事もなかったかのように、艦隊の指揮へと戻った。 レイジの周りに居ながらも、ルリの突然の行動に頭が追いつかなかったクレア、ネコ、マーリン、ランは、呆然としているしかなかった。 「あーあ、まあこれは仕方ないのかな。」 「そうね。これは仕方ないわ。」 そんな中で双子のクラレンスとアリスは、いつものように振る舞っている。 「貴女たち、早く帰還しますよ!!各自速やかに持ち場に戻りなさい。」 未だ何が起こったのか理解できていない四人に、ルリから厳格な一言が走る。 「ちょ、待てよ委員長!!」 ようやく我に帰ったクレアは、そのままルリに詰め寄った。 「どういうことだ、これは?」 「見ての通りですよ…。」 何事もなくそう告げるルリに、今度はマーリンも怒りを露にする。 「はっきりと説明をしてください。何故この場でこのような狼藉を働いたのですか?」 二人に詰め寄られたルリに、フランシスが割って入る。 「あんた達がそんなこと気にしたってどうにもなんないでしょ!!ルリさんのやることは、全部正しいことなのよ!!」 「いいのですよ、フランシス。」 ルリは、申し訳の無さなど 微塵も見せずにクレア、マーリンを見据える。 「何故なのか知りたいならば、帰ってから話します。」
/279ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加