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レイジが意識を失って、海面に浮かんだまま動かないのを暫く見下ろしたルリは、そのまま何事もなかったかのように、艦隊の指揮へと戻った。
レイジの周りに居ながらも、ルリの突然の行動に頭が追いつかなかったクレア、ネコ、マーリン、ランは、呆然としているしかなかった。
「あーあ、まあこれは仕方ないのかな。」
「そうね。これは仕方ないわ。」
そんな中で双子のクラレンスとアリスは、いつものように振る舞っている。
「貴女たち、早く帰還しますよ!!各自速やかに持ち場に戻りなさい。」
未だ何が起こったのか理解できていない四人に、ルリから厳格な一言が走る。
「ちょ、待てよ委員長!!」
ようやく我に帰ったクレアは、そのままルリに詰め寄った。
「どういうことだ、これは?」
「見ての通りですよ…。」
何事もなくそう告げるルリに、今度はマーリンも怒りを露にする。
「はっきりと説明をしてください。何故この場でこのような狼藉を働いたのですか?」
二人に詰め寄られたルリに、フランシスが割って入る。
「あんた達がそんなこと気にしたってどうにもなんないでしょ!!ルリさんのやることは、全部正しいことなのよ!!」
「いいのですよ、フランシス。」
ルリは、申し訳の無さなど 微塵も見せずにクレア、マーリンを見据える。
「何故なのか知りたいならば、帰ってから話します。」
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