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アメリカ海軍太平洋戦線某基地 作戦会議室内
「さてと、話してくれよな。なんであんなことやったんだよ?」
いつもよりもきつくルリを見据えるクレア。
彼女は今までルリに対してここまできつい態度であたることは一度もなかった。
クレア自身、その事に全く気付いていなかった。
とにかく、そうしなければもっと怒ってしまいそうで、何故かそんな態度をとってしまう。
「そうですね。分かりました。」
そう言ってルリは、クレア、ネコ、ハイネ、フランシス、マーリン、ラン。
今ここにいる鋼の乙女全員に視線を移すと、おもむろに口を開いた。
「レイジは一度、敵に捕まりました。勿論これは軍人として恥ずべき汚点です。そんな彼を何事もなく我が隊に帰属させることが出来るはずもありません。」
「ですが、あれは私たちイギリス海軍の失態です。レイジさんではなく我々イギリス海軍こそが責められるべきではありませんか?」
マーリンの反論にルリは、首を横に振った。
「いいえ、彼には恐らくそれとは別に何らかの処分が下るでしょうから、その事で貴女たちイギリス海軍を責める訳にもいきません。」
「では、何故?」
マーリンの問いにルリが口を開こうとしたその時。
「なーんだ、まだ分からないんだね。君たちそれでも鋼の乙女なのかな?」
「ほーんと、貴女たち全員馬鹿の乙女に改名しなさいよ。察しが悪くて呆れたわ。」
会議室の扉を開いて入ってきたのは、堂々と他人を小馬鹿にするいつもの口調を携えた双子の鋼の乙女。
クラレンスとアリスだった。
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