51人が本棚に入れています
本棚に追加
/279ページ
二人でひとつの鋼の乙女は、見下した視線を隠さずに、クレア、ネコ、ハイネ、フランシス、マーリン、ランを見据えて呆れている。
「なんだよ、てかお前らだってレイジを庇ってやらなかったけどよ、なんか理由でもあるのか?」
クレアの刺々しい言葉にも、双子は眉ひとつ動かさない。
「酷いと思うかい?」
「貴女達がそう思ってくれるなら、ある意味大歓迎なんだけどね。」
むしろクスクスと笑っている。
「貴女達がここに来たということは、先ほどの件の報告は終わったのですね?」
双子達の会話を静観していたルリからの声に、皆が目を向ける。
「もちろんそうだよ。彼らも直ぐに納得したよ。」
「処罰は既に充分だから、この件のことはお咎め無しになったわ。」
双子とルリにはなにかしら通じている事情があるようだが、他の鋼の乙女は全く訳が分からない。
「そうですか。これでレイジを私たちの所に取り返すことが出来ましたね。二人とも、ありがとうございます。」
「君にお礼を言われても、あまり嬉しくないけど、一応形として受け取っておくよ。」
「そうね。慣れないことはしても、されても慣れないものだわ。どうせならレイジのお礼が聞きたいわ。」
ルリ、クラレンス、アリスの会話を静観していたランは3人の会話の内容から、なんとなく何かを察した。
「あ、あの……質問をしてもいいですか?」
最初のコメントを投稿しよう!