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目覚めて最初に見たのは、逃げていく研究者達。
そして次に聞いたのは、爆発音。
身体が動かない。
エンジンが完全に起動してないんだ。
意識ははっきりしているのに。
「くそ、もうそいつも燃えて無くなるんだ、はやく逃げろ!」
「そうだな、所詮兵器はいつか壊れる。今は俺達の安全が先だ。」
そんな…
俺は耳を疑ったが、紛れもない事実が、そこにあった。
俺は、見捨てられるのだと。
嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ!
俺は生きたい。
生きて戦いたいのに!
やがて研究者達はいなくなり、あたりは赤く燃え上がっていく。
死にたくない、死にたくないんだ!
強く念じるうちに、だんだん身体の感覚が、はっきりしていく。
俺は、ゆっくりと…しかし確実に動いた。
傍らの自分の装備に手を伸ばす。
それを身につけて、部屋の出口を目指す。
しかし、突然また動かなくなる。
ああ…やっぱり駄目だな…。
また視界は暗く染まっていった。
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