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「う…ん?」
また目覚めると、今度は研究所とは違う部屋が目に入った。
部屋の傍らには、日本人達が最も忌み嫌っている国の旗。
星条旗が立ててあった。
「アメリカの…船?」
気がつけば、揺れている船内。
いよいよこれは本格的に、混乱してくる。
「あれー?こいつ目覚めちゃってるじゃん。」
「本当ね、タイミング良く…いえこいつに取っては悪くかしら?クスクス。」
目の前に双子の姉妹らしい少女が現れた。
互いに鏡のような容姿に、光彩異色のオッドアイ。
ひとりは悪魔、ひとりは天使のような出で立ちだ。
一見すれば可愛く見えるが、しかし彼女ら二人の目には、無邪気よりも冷酷な非情の光が見える。
「誰だ?」
「誰だだって?」
「いきなり質問を押し付けるなんて、ぶしつけな奴ね。」
こちらとしては、至極当然の質問だったが、機嫌を損ねてしまったらしい。
二人して表情が険しくなる。
「燃え残った君をせっかく拾ってあげたのに、ありがとうの一つもないんだ?」
「全く礼儀知らずなのよね、日本軍の鋼の乙女は。」
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