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新たな画面が現れると、メールアドレス登録の画面だった。
空メール送信で、新しい世界が始まる。
アドレスくらいならすぐ変えられるよね…
ためらいもなくメールを送信する。
ふぅと、一息つく間もなく返信メールが来た。
本登録用画面へ。と、書かれた下に、ホームページアドレスがリンクされていた。
一度走りだしたら、もう前しか見えなかった。
もう、気の迷いも失せた由紀は単調にボタンを押し進めていく。
名前、住んでいる街、年齢、職業…
事細かく記入を指示された画面で、偽った内容を入力していく。
名前、なつき。
年齢、21歳。
職業、秘密…
住んでいる街も、隣街を入力し、大抵のことには「秘密」と、入力した。
これで…
いいのかな?
偽った自分を作り上げ、もうすでに罪悪感もなかった。
違う自分を表現できることに楽しみを覚え、子供みたいにワクワクした。
早くメールでも来ないかなあ…
ベッドの上をゴロゴロ転がりながら、携帯を眺める。
メール受信一通30円。
メール送信一通30円。
その他にも色々な機能で収入があるらしい。
本当か嘘か…
サンタさんを信じる子供の頃みたいな気持ちだった。
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