偽り

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最近は授業に全く専念できてないや… ちょっとは気を引き締めてやらないとっ! 先生が黒板に書く文字をすらすらとノートに移していく。 つまんない… シャーペンをクルクル回したりしながら暇を持て余す。 その時、コロンと白い物体が机の上に転がってきた。 -…手紙? 小さく折り畳まれたそれを、音を立てないように開く。 ー最近、なんだかぼーっとしてるぞ?なしたのさあ?涼くんとうまくいってないの? なんでも話聞くからね☆ 真里- 後ろの方を振り向くと、視線に気が付いたのか手をヒラヒラと小さく振っている真里の姿があった。 にっこり微笑み返すと、真里からの丸い文字で綴られた手紙をもう一度軽く眺め、返事を書き始める。 -別に何もないよ☆最近、真里と遊んでないからストレス溜まってるのかも(*_*)今週末暇だったら、買い物でも一緒に行こう♪ 由紀- 返事を書いたノートの切れ端を破り、先生の目を盗んで真里に手紙を放り投げた。
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