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「それよりさ?今日もウチ寄ってく?」
私と真里の家は近所で、徒歩2分といったところ。
よく帰りにお互いの家に寄っては晩御飯を食べて自宅に帰る感じだった。
「今日はたぁくんと電話の日だからまた今度にするっ!」
ウキウキと声を弾ませながら答える真里は恋する乙女そのものだった。
たぁくんっていうのは、真里の彼氏で付き合ってまだ1ヶ月そこそこ。
隣町の高校に通っていて、プリクラでしか見たことないけどなかなかのイケメン。
春は恋の季節といいますか…隣でニコニコ笑っている真里は幸せな風拭きまくってる感じ。
カレンダーでは春なのに、雪が残る北海道。
私はほったらかしで、寂しい風ビュービューだってのに……切実な話、羨ましい。
「ひゃー…いつ春になるのかね?4月だってのに、まだ雪残ってるし…」
近所の公園を通り、近道をして家路を急ぐ。
「早く春にならんかねー」
肩をすぼめて話す真里に、つい突っ込みたくなる。
「真里は充分春感じてるっしょ!」
「えへへっ」
嬉しそうに笑う真里。
「私も久しぶりにデートしたいなぁ…」
なんて言った後、私も一応恋する乙女なんじゃん…とか一瞬考えてしまった。
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