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真里の家の前に着き、そそくさと挨拶を交わし、各自家へ帰る。
玄関のドアを開けると、美味しそうな夕飯の匂いにつられ、まっすぐ制服のままリビングへ向かった。
「ただいまー」
由紀の声に反応し、母親がにこやかに出迎えてくれた。
「お帰り。寒かったしょ?早く着替えてきなさい?」
「はいはーい。」
夕飯のちょっと焦げた唐揚げをひとつつまみ食いして部屋へ向かう。
いつもの部屋。
代わり映えしない部屋。
制服を脱ぎ捨て、部屋着になると早足にまたリビングへ。
「お腹すいたー!」
「本当に由紀は…ちょっとは女の子らしくなりなさい?」
「うるさいなぁ…」
前髪をぴょこんとひとつに縛り、ちょんまげを作ると、テレビをつけてソファーに寝転ぶ。
うん…まぁ…確かに女の子らしさあんまりないかも…
「ご飯食べるしょ?」
「あったりまえー!」
母親の声に即座に反応し、ソファーから飛び降り、テーブルにつく。
「今日唐揚げでしょ?」
「うん。あとはコロッケ。」
並ぶ料理を勢い良く口に運んでいく。
「このコロッケ、なまらうまい!」
いつもの毎日。
心地いいんだけど…
なんか飽きてきたって言ったらバチが当たるかな?
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