『セカイセイフク』

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 腕に1発と胸に2発。胸に来たうちの1発は心臓を貫いていた。  『銃なんて初めて使うから、2発も外したなぁ』と目の前の男は言った。  僕は笑う。仲間がいることくらい予想しておくべきだった。少しばかり焦り過ぎていたのかもしれない。  でも、僕の勝ちだ。禁断の技術で男を操る。奴と同じように操る。  『残念ながら、効かない』。男は冷たい目で僕を見ながら、言う。  確かに僕は禁断の技術を使ったはずなのに、男の様子に変わりはない。  ──ここで久し振りに僕は恐怖を感じた。
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