『好きな色は赤』

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それから、数年後。 僕は赤をやめ、大手企業の社員として働いていた。何か物足りないとは感じていたが、それは赤に対する欲望。原因が分かっているだけ対処も出来る。 更に数年後。 もう無理だ。僕には赤がないと生きていけないらしい。僕には赤が全て。赤がないと駄目だ。抑えられない。 ……手始めに僕は区切りとして親を殺した。その時の爽快感ときたら、もう最高だった。 そして、数ヶ月後。 僕は幾人もの人々を殺めた。結果、僕は殺人鬼と恐れられた。血こそが僕の好きな赤だ。だから、僕は人を殺す。今回は無用心にも独りで路地裏に入った青年を殺そうと思う。最近は警備が厳しいから中々、殺人が犯せなかったから、久し振りの獲物だ。発狂しそうな口を無理矢理閉じ、静かに青年の背後に忍び寄る。手には、しっかりとナイフは握ってるし、青年は気付く気配がないから、今回の殺人は成功するだろう。血が疼く。 その日。 死んだのは僕だった。死因は上半身と下半身を切断された為。明らかに死んだと分かる状態だった。
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