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僕と彼は隣に並んで同じ速度で歩く。
僕と彼は親友だった。
学校の友達よりも大切な、大事な家族だった。
名前を呼べばすぐに来たし、僕の言う事をちゃんと聞いてくれた。
褒めてやれば、嬉しそうに僕に顔を寄せた。
「ずっと一緒にいようね」
そう言ったのに…。
彼はある日突然動かなくなった。
大好きなオモチャを抱えたまま、毛布の上に横たわっていた。
母さんと父さんは
「もう歳だったんだ」
と言った。
そういえば最近走らなくなったな、とか
ご飯をあまり食べなくなった、眠る時間が長くなったとか、思い当たることがあって。
そうか。もう天国からお迎えが来たんだね。
「おやすみ」
僕は彼を優しく撫でた。
おやすみ。一番仲良しだった僕の親友。
end
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