第2王妃カイケーイーの策略

3/5
前へ
/135ページ
次へ
「1つは、バーラタを王にする事。2つめは、ラーマを14年間森へ追放する事です。」 「な、何だと!?」 いくら約束したからと言っても、それは聞き入れたくない願いだった。 ダシャラタは悩み苦しむ。 「父上、俺を追放して下さい。」 苦しむ父親を見て、ラーマはカイケーイーの願いを受け入れた。 「ラーマ!そんな願い、聞かなくても良いのよ!」 母親カウサリヤーが説得する。 「そうだよ兄さん!王には兄さんがなるべきだ!」 ラクシュマナが叫ぶ。 だが、ラーマは静かに言った。 「父上に約束を果たさせる事が、俺の最高の義務なんだ。」 兄さん……やっぱり格好いい…… 「だったら俺も行く!兄さんと一緒に暮らす!」 「お前って奴は……。フッ、勝手にしろ。」 ぱぁっと笑顔になるラクシュマナ。 「もちろん私も行きますからね。」 と、シーター。 「お前は駄目だ。ここに残れ。」 「なぜ?私は貴方の妻ですよ?」 「森にはラークシャサやアスラが居る。お前を危険な目に遭わせたくない。」 だが、シーターは微笑んで言う。 「貴方にどこまでも従う事が、私の最高の義務なのです。」 その言葉に目頭が熱くなる。 「後悔するなよ……。」 しないわと言うシーターを抱き締め、共に暮らす決意をした。 民衆とダシャラタ王の嘆きの声の中、ラーマとシーター、そしてラクシュマナは追放の旅へと出発する。 .
/135ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加