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「望みは不死身ですか?」
ブラフマーの問いに頷くラーヴァナ。
「では条件を述べて下さい。」
ヒラニャカシプ達を思い出しながら、ため息混じりに彼は言う。
またヴィシュヌに文句を言われる━━━なんて思いながらも、望みを叶えてやらなければならないのだ。
「神々とガンダルヴァとアスラに殺されない身体にしてくれ。」
「え?人間は外すんで━━━」
思わず聞き返したブラフマーは慌てて口を塞いだ。
私のお馬鹿!抜け穴を指摘してどうするんですか!
ヴィシュヌにガラスのハートを砕かれる……
「人間?ああ、人間なんか屁じゃねぇし。」
「へ?」
意外な言葉に変な声を出すブラフマー。
「この俺様が人間なんかに殺られる訳ねぇだろーが。」
「え、あ、そうですね。ではその条件で叶えましょう。」
人間を軽視していたラーヴァナ。
これが、彼を倒す抜け穴となる。
あ、シヴァさんは慈悲を与えた様です。
そしてラーヴァナは、例の如く傍若無人に振る舞った。
神々と人間が迫害され、対策に困った神々はヴィシュヌに救いを求める━━━。
「任せなさい。私が人間に化身して倒してあげますよ。」
ふんっと胸を張り、ヴィシュヌは言った。
「さてと。どこに生まれましょうか…。」
天界から下界を覗き、親となる者を探す。
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