烈風

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すると彼が突然片方の手を合わせて集中し始めると、光が段々とボール状になっていく。だが、残る魔力が少ないのか少し光が霞んでいた。 突然、魔導師がおもむろに口を開き 「今からちょっとした爆弾を投げる……爆発したらかなり砂塵が広がると思うから、それを機に包囲網を突破する………生きて帰ろう」 「お、珍しくポジティブ発言」 「うるせぇ」 弓兵をキッと睨み付けると、敵が密集していた場所へボール状のエナジーを投げ込む。 「爆発音が鳴ったらすぐに飛び出すぞ……準備してろ」 「………………お前、この音が聴こえないか?」 その言葉が引っ掛かり耳をすませるが、兵士の喚声と爆発音が頻繁に鳴り響く為、聴こえない様子で首をかしげる。 「………いや、何も聴こえないが……………嘘だろ…?」 先ほどまで、分からずしぶる様な表情が一転して驚愕の表情を浮かばせる。すると弓兵がニヤリと笑って 「その“まさか”かも」
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