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何も出来ないまま空が曇りだし暫くして雨が降り始めた
やがてその雨は次第に強くなっていった
「…」
大雨に打たれながらグレンは既に死を覚悟していた
(何も出来ずに…こんな所で死んでいくのか…皆、ごめんな…)
グレンの意識はもう途切れかけていた
しかしその時遠くの方から誰かが傘をさしながら近づいて来るのが分かった
(ハハッ、天使のお出迎えか…)
その人はグレンに気がつくと走り出し近づいてきた
「だ、大丈夫ですか!?」
近づいて声をかけてきたのは女の人だった
「…」
言葉を発する力もないグレンはただただ彼女を見ていることしか出来なかった
「酷い怪我…」
彼女は悲しそうな顔をしながら唖然とした
「…」
遂にグレンの意識は限界に達した
「えっ…し、しっかりしてください!」
その言葉を最後にグレンは意識を失った…
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