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「ありますよ、一応」
もうすぐ永遠に無くなりますけどね、と心の中で毒づきながら秋山先生の方を向き、回答をする。
「……高木、もう一度聞く。どうして死のうとするんだ!」
同じこと何回も聞くなよ、と思いながらもよくよく考えるとちゃんとした答えを告げてなかったことに気付いた。
はぐらかしてもまた先生が同じ疑問を追及してくるのは火を見るより明らかだったので、仕方なく理由を伝達することにした。
自分が原因の一端であると理解させ、今現在自分が行っていることがただの偽善だと知らしめるためにも。
「死ぬ理由? そんなの簡単じゃないですか。死にたいからですよ。そこに到達するまでの過程が例えどんなに苦しいものだろうとぬるま湯に浸った陳腐な感性から誕生した世界観の物語を経由していようと、結論は同じ。死にたくなったから、です。救いを求めても助けてくれる人のいない、そんな世界で孤独に生きていくことが脆弱な僕には耐えられなくなったんです。だから、死ぬんです。弱いことはわかってます。自分勝手なこともわかってます。だけど最後ぐらい自分の思い通りにしたっていいじゃないですか。だって、僕の人生なんだから」
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