この青空に『 』を委ねて

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 余りにも、不快だ。どこまでも他人行儀で、高みから見物してるやつの発言は。  もういい、飛ぶ。こんなやつの話を長々と聞いた僕が馬鹿だった。大体人を見殺しにするようなやつだ。そんなやつの言葉に意義なをかあるわけがないなんて少し思慮を張り巡らせばわかるものなのに。  ちらりと下を覗く。深かった。よし死ねる。僕は落ちれるんだ。 「そういうわけじゃない、そういう意味で言ったんじゃないんだ」  今頃自分の失態にでも気付いたのか、言い訳がましく先生が話を継続してきた。とくに返事する必要はないので無視する。 「どんな形だろうと、お前が死んだら誰かが悲しむ。それはつまりお前がその人に苦しい思いをさせてるってことだ。それがお前のせいじゃないなら仕方がない。だけど、それがもしお前が意図してしたのだとしたら、それは暴力と同じだ。掃除屋とか名乗ってるアホ共と等価値の人間に落ちるんだよ」  ……だからどうした。同じになろうが別にいい。パソコンを強制終了するとたくさんの不具合が生じる。だけどそのパソコンをもう使わないのなら問題はない。つまりはそういうこと。だから、別にいいんだ。
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