4才

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4才の頃は 父との記憶が薄い 父は何ヶ月も出張に行っていて あたしは父が 苦手だった たまに帰ってきて 遊んでくれたけれど 父は男の子が欲しかったらしく あたしの印象は薄い 埼玉に越してからは 母方の親戚が あたし達の生活のなかに いつもいた 母方の祖父母は 東京に住んでいたが 祖父が父が出張している間に 泊まりにきたり 母の兄(長男で和菓子の販売をしていた)や 弟妹達が しょっちゅう出入りしていた そして あたしは パチンコ屋で遊ぶ子供だった パチンコ屋では 床に落ちた玉を拾っては ジュースを飲んだり 母に連れられて お昼を近所のラーメン屋さんに置き去りで1人でチャーハン食べたり 車の中で 眠ってしまい 脱水状態で パチンコ屋のお兄さんに助けられたりした だからあたしは いまだにパチンコ屋に入れない トラウマなのだ だからあたしは1人で飲食店でご飯を食べるのが苦手だ 置き去りにされた淋しさと いたたまれなさが いまだに あたしに染み着いている ,
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