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あたしが苦手だったのは、夜だった。
まだ5才の子供だ
当然母親が恋しくなる
だけど、いつ電話しても母はいなかった。
夜に寂しくて泣くと祖母が電話をかけてくれた
だけど、母は電話に出ない
子供達がいないからか羽を伸ばして遊び狂っていたのだ
宗教活動やパチンコに忙しく、まるで子供達のことなんか考えたくないようだった
あたしは、お気に入りのねんねタオル(黄色で101匹ワンチャンが描いてあるバスタオルで擦り切れるまで使ってた)と指しゃぶりが無きゃ眠れなかった
母親は、このクセを止めさせたいらしく、あたしの親指にからしを塗ってみたりしていた
母親が電話に出るのは10回に1回で
寂しさからか、親指の指しゃぶりは激しくなり親指にタコができた程だった
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