5才

31/35

76人が本棚に入れています
本棚に追加
/82ページ
あたしが苦手だったのは、夜だった。 まだ5才の子供だ 当然母親が恋しくなる だけど、いつ電話しても母はいなかった。 夜に寂しくて泣くと祖母が電話をかけてくれた だけど、母は電話に出ない 子供達がいないからか羽を伸ばして遊び狂っていたのだ 宗教活動やパチンコに忙しく、まるで子供達のことなんか考えたくないようだった あたしは、お気に入りのねんねタオル(黄色で101匹ワンチャンが描いてあるバスタオルで擦り切れるまで使ってた)と指しゃぶりが無きゃ眠れなかった 母親は、このクセを止めさせたいらしく、あたしの親指にからしを塗ってみたりしていた 母親が電話に出るのは10回に1回で 寂しさからか、親指の指しゃぶりは激しくなり親指にタコができた程だった ・
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加