7才

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ピンク色のカップケーキのキーホルダーをピンク色のランドセルを買ってもらう代わりに 買ってもらった 入学して何日かしたら そのキーホルダーが壊されて 教室の隅に落ちていた 悔しくて悲しくて涙が溢れた あたしは 泣き虫の烙印が押された 考えてみたら ただのやっかみや 物珍しさかもしれないが 多分 太っているあたしには 似合わないとふざけてやったのだろう 子供のイジメは 差別意識と 憂さ晴らしと 侮蔑から エスカレートしていく だけど 大人の社会も同じだが 太古の昔から 異質なものを認めない感情は 誰にでもあるから 仕方ないと割り切って生きれば楽になれるのかあたしには未だに解らないが… 当時のあたしはただただ、 おばあちゃんへの申し訳無さと 壊されたカップケーキのキーホルダーへの 愛着が涙となって流れたのだった ・
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