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ハンターとしての第一歩。彼らは狩りについてほとんど知識が無い。
モンスターの名前は聞いたことがあるだろうが、武器や道具の使い方など知りもしなかった。
そんな彼らがまず必要としたのが、彼らに狩りのイロハを教えてくれる“師匠”であった。
「すいません!!僕に狩りを教えてくれませんか?」
ハンターが多く集まる場所、ギルドでザリはそこら中のハンターに声をかけていた。しかし、そう簡単に狩りを教えることなどできるはずも無い。その身一つで生計を立て、さらには命がけ。その状況下で狩りを教える余裕など無い。
――だめだだめだ。他を当たってくれ。
――ふざけるなクソガキ!!
次から次へと断わられていく。
ザリが深いため息をつきながら一度外へ出ようと出口に向かうと同じくため息を吐きながら歩くマロンと合流した。
「ああ、ザリ。どうだった?」
「見ての通りさ。」
はあ、と再びため息をつく二人。
二人はギルド内を見渡した。
各々のハンターが真剣な表情で依頼の資料を見ていたり、仲間と騒いだりしていて自分たちなど気にも留めていないようで、それが彼らには耐えがたかった。
意気揚々と孤児院から出てきたと言うのに。
二人で強くなると決めたはずなのに。
肝心のスタートすらうまく切れずにいた。
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