最期ノ再開

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ゆらゆら、ゆらゆら。 よくわからないが、揺れている気がする。 ここはどこだろう。 わたしはまだわたしでいるのだろうか。 ふわふわ、ふわふわ。 奇妙な浮いているような感覚がする。 わたしは元々天国や地獄なんて信じていない。 それならば、ここはどこなんだろうか。 目が開いた。 全体的に真っ白だ。 わたしは揺りかごのようなものに両手を腹の辺りで重ねて寝ていたようではあるが。 「ここはどこだろう」 一番の疑問を今度は心の中ではなく、言葉にしてみた。 だが返答はなく、わたしは参ったとため息をつく。 体が動かない。 しばらく動かさないでいたため動かし方を忘れてしまったようなそんな感じ。 そんなことなったことはないが、もしそうなったら今と同じと言えるだろう。 動けないため、仕方なくゆらゆらと揺りかごに揺られていると猛烈な眠気に襲われる。 恐るべし、揺りかご。 わたしは睡魔に大した抵抗もせずに目を閉じようとした。 だが、それはなされなかった。 上下に心地よいリズムで揺れていた揺りかごが左右に、しかも乱暴に揺らされた。 「あーうーあーうーあー」 体が動かないことと揺りかごの横幅が狭いせいか頭が柵にガンガン当たって痛い。 止めてくれ、本気で痛い。 「んぁー、誰だ。止めろよ止めろ。頭がへこんでしまう」 わたしがそう言うと揺りかごの揺れが左右にも上下にも動かなくなった。 なんとか頭は動くようだ。 ゴロンッと頭を横にずらして左右に揺らして眠りの邪魔をした犯人を確かめようとする。
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