君の死 1

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僕の体はもう 火を潜り肉は焼け 骨と化しその骨ももう 窮屈そうな白磁の箱に 詰められてしまった。 僕はもう、あの世界には いない人間だ。 生者は 無い物ねだりが得意で。 死んだことのなかった、元・生者の僕は 死者も 想うことについては生きていたときと 対して変わらないのかもしれないなんて 今となっては思える。 まあ みんなかつては生き物だったんだものな。 ねえ。 聞いてくれるかい。 つまらない話ではあるかもしれないが 僕の死は 最期まで優しかったんだって こんな話を。
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