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西暦2500年、地球とは異なる星、グラン星では人間と特殊能力をもった者達が共存していた。
能力者は家事や移動、生活におけることほとんどを特殊能力で行っている。
しかし数年前から、それを欲にまかせて悪用するものが現れた。
これは、ある家族に起きた出来事である。
「お兄ちゃん、遊ぼうよ」
「じゃあ、かくれんぼしようか、ケーラ」
兄の名前はカイ、髪は長髪ストレートの少しはねた感じで、顔の特徴としては眉毛が細く、鼻が高め、中肉中背である。
妹はケーラ、髪はパッツンヘアー、顔の特徴としては目がたれ目で、笑うとえくぼがでる。背は低く、痩せている。
今は姉と3人で暮らしており、父母は事故で亡くなっている。
2人は晴天のなか、住宅街にある小さな公園で遊んでいた。この日は人通りが少なく、辺りは静かである。
「お兄ちゃんが鬼ね、50数えてね」
ケーラは急いで隠れ場所を探す。
「1、2、3、4、5……25、26」
カイは目を閉じ、ゆっくり数え始める。
「ん?何か音が……」
突然、凄まじい風がケーラの周りに吹き荒れる。
「むぐっ、いやだ、お兄ぃちゃぁああん」
「だっ、誰だ、お前は!?」
「クックッ、嬢ちゃんは預からせてもらうぜ」
髪は逆立っていて、細くキツい目をした男が現れ、ケーラの口をふさぎ、抱き抱える。
「ケーラを放せ、このやろぉぉ!!」
カイは突進していったが殴られ、返り討ちにされる。
「ぐぅ、いてぇな、このぉ」
カイは口から流血している。
「助けたけりゃ大きくなって強くなってから来るんだな、坊主」
男はカイの顔に唾を吐きかける。
「ぐぅっ、まっ、待ってよ、俺が代わりに!?」
「お前じゃダメなんだよ、クックッハッハッ」
「くそぉお、ケーラァァ」
カイは懸命に追ったが、男は意味深な言葉を残し、ケーラを抱き抱えながら空に向かって飛び去っていった。
「うぅ、ぐすっ、ひっく、なんで……なんで……こんなことに……うぅわぁっ」
カイは、地面を両手で叩きながら大声で泣き、何も出来なかった自分を情けなく感じていた。
なぜ、妹はさらわれたのか……
それから半年後、特殊能力の訓練を受けたカイ達と、ある組織との戦いが始まろうとしていた。
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