コマンド少女と同好会

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初めて言葉を交わす相手に命令口調で話されても全然嫌な気がしないのが不思議だった。 「同好会ってなんの?」 「とりあえず部室まで来てくれると助かるわ」 「込み入った説明が必要な同好会なのか?」 「話が早くていいわね、それじゃついて来て」 特に断る理由もないのでついて行くことにした。 それから部室棟と呼ばれる、文化系の部活や同好会が活動する校舎の3階の1番端にある教室に着いた。 「ここが我が同好会の部室よ!」 桂來香はそう叫び勢いよくドアを開けた。 「………なかなか殺風景な部室だな」 殺風景どころか、教室にある机が4つと椅子が10数個散乱していた。 「ま、まぁね…去年の秋につくったばかりだから仕方ないのよ」 「去年って……会員は何人いるんだ?今のとこ誰もいないみたいなんだが」 「みんなミッションこなしてるから今日はこないわ」 そう言うとそこらへんにある椅子に座り「ちなみに会員は5人ね」と付け足す。 「ミッションって……、そもそも何をやる同好会なんだ?」 「それを今から説明するのよ、まぁ座んなさい」 俺は促されるまま、桂來香の近くに座った。 俺が座ったのを確認すると真剣な表情で俺のほう向く。 「まずは名前ね、ようこそ我がWTK同好会へ!あたしが会長の桂來香よ!」 「WTK…?」 「Wは我ら、Tは特殊能力、Kは活動隊って意味よ」 「よくそれで申請が通ったな…」 「しっかりした活動内容と5人以上の会員がいれば大体通るものなのよ」 「そうなのか…、名前から意味がわからないが活動内容は?」 「そうね…、活動内容の前にまず名前の由来からいきましょうか」 色々とツッコミたいところだが黙っていることにした。 「簡単に言うとあたし達が特殊能力をもった人間の集まりだからよ」 どうやら電波さんの集まりのようなので立ち上がって帰ろうとすると腕を掴まれた。 「ちょっと待って!あなたも特殊能力の持ち主なのよ!」 …………………は?
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