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腕を振り払い出ていこうかと思ったが桂來香があまりに真剣な表情だったので、椅子に座り直し話を聞くことにした。
「ありがとう…」
「くだらない話だったら帰る、んで俺の特殊能力ってのは?」
「同じクラスになってから気づいたから1ヶ月も調べてないんだけどね、アダプトって能力よ」
「アダプト……?適するとかそんな意味だったよな?」
「そうね…つまりは順応性よ」
「……順応性なんて誰にでもあるだろ?」
「そうね。そこであたし達が提唱する特殊能力ってのはそういった能力が特に秀でてるモノのことを指すわ」
「俺は順応性が特に秀でてるってことか?」
いまいちピンとこないな。
「あなたの場合秀でてるなんてレベルじゃないわ」
「どうゆうことだ?」
「初めてやったスポーツがすぐできるようになったり、授業で習ったところがすぐできるようになったりしたことはないかしら?」
それに関しては経験がある…
桂來香が俺のそんな表情を見て「思い当たる節があるみたいね」と言う。
「本来順応性ってゆうのは急に変わる環境などにすぐ慣れることができるモノなんだけれど、あなたの場合はスポーツや勉強、初めてやることに対しても完璧に順応してしまうのよ、だから今まで苦手だと感じたことがないはずだわ」
桂來香はまるで占い師のように俺の経験談を当ててくる。
ここまでくると一つ興味が湧いてきた。
「あんたの特殊能力はなんなんだ?」
桂來香は待ってましたと言わんばかりに身を乗り出してくる。
「あたしのはコマンド…つまり統率力よ!」
「統率力…?」
これまたピンとこないな。
「そう、例えばあなたは何だかんだであたしの話を聞いてくれているでしょう?それに妙な説得力がある」
確かにさっきは真剣な表情を見て、話くらい聞いてやろうとゆう気になった。
「そして今のあなたはあたしとあなたの特殊能力の証明になっているわ」
「どうゆうことだ?」
「まず第一に普通こんな電波みたいなやつの言うことなんて聞く耳をもたない。
第ニにこんな話をされてもピンとこないわ、でもあなたは理解し始めている、つまり順応してるってわけよ」
つまり桂來香の特殊能力がなければ俺はそもそも話を聞かず帰ってるし、今度は俺の特殊能力がなければ話を聞いてもくだらない話だと思い帰ってるわけだ。
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