判定するお嬢様と器用な執事

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俺が入会を了承したその日のうちに入会書を書かされ、晴れて俺はWTK同好会の会員となった。 次の日の昼、いつも通り1人で飯を食おうとすると桂來香が俺と向かい合わせになるように座り、俺と同じ机にドカッと弁当をおいた。 「お前友達いないのか?」 「あなたに言われるとは心外だわ」 「んじゃ友達と食えばいいだろ」 「あたしも特別仲の良い友達ってのはいないのよ」 少し意外だった。 「もちろん能力上友達はいっぱいいるし、人望もあるのだけれどね」 「人望があるとか自分で言うなよ」 「事実だもの!まぁ同好会のメンバーとはそれなりの付き合いはあるけどね」 同好会メンバーか… そういや他の奴らとは結局昨日会えなかった。 「お前が会長やってるってことは会員は全員2年なのか?」 入学したての1年がこんな怪しそうな同好会に入りたいと思うわけがないし。 「いえ3年が2人、2年はあなたとあたしを入れて3人、1年が1人よ」 「1年がいるのか……俺のように勧誘したのか?」 「勧誘なんてしてないわ、あたしの中学時代の後輩なのよ……まぁ会えばわかるわ」 桂來香はなんだか少し力なく答えた。 「それに3年がいるなら会長は3年がやるべきだろ」 「能力を考えたらあたしが1番妥当でしょ?それに発案はあたしだし…」 「じゃあ全員お前が勧誘したのか?」 「3年の2人とあたし達以外の2年は創立メンバーだから勧誘はしてないわ、それに勧誘をしたのはあなたの能力がアダプトだからよ」 「どうゆうことだ?」 「あたしの能力は他人に自分の話を聞かせて妙な説得力を感じさせたりできるのは説明したでしょ?でもいくら説明したって電波チックな話を聞いてすぐに聞き入れられるわけがないから説得力を感じさせることもできない、あなたの場合順応して聞き入れられるから説得力を感じさせることできる、要するにあたしの能力は相手の状態や状況次第では発動しないわけ、だからあなたのような能力の持ち主じゃないと我が同好会の勧誘はできないわけ」 桂來香は話終えると「長かったけど理解できた?」と聞いてきた。 「まだしっくりこないけど、なんとなくはわかった」 「……まぁこれから少しずつ実感できるわよ」 一通りの説明を終え、俺らは弁当を食べることにした。
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