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「ラァッ!!!」
深淵と呼ばれた少年は力強く腕を降り下ろす。
するとその動きに合わせるかのように、少年の後ろから黒い“何か”が現れ膨張、波となって襲いかかる。
「甘い!!!」
それを狂気と言われた少年は、狂った笑みを口許に浮かべ、同様に腕を降り下ろす。
その瞬間、黒い波は見えない“何か”がぶつかったかのように弾け飛ぶ。
「どっちがだ!!!!」
獣じみた咆哮と共に深淵はいつの間にか手にした深い黒色の槍を突き出す、波を壁にして常人離れした動きで後ろに回り込んでいたようだ。
刹那の後、飛び散る紅い飛沫。
「二度も言わせんな!!!!」
槍は狂気を貫いておらず、胴に当たる寸前でその先端を右腕で掴まれていた。
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