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「じゃあ、私が読んだら入ってきなさい。」
1ーDと書かれた札をぶら下げた教室の前には、龍星、紅也、そして一人の教師の姿があった。
「はい。」
「分かった…」
教師の言葉に龍星は笑顔で、紅也は少々めんどくさそうに答える。
紅也の態度に教師は不満げに眉を寄せたが特に何も言わない、因みに男性だ。
教師は教室の扉を開き教室に入っていく、それを完全に見送った後、龍星の笑みの質が変わった事に紅也は気付く。
「ここにあいつが…何してやろうかなぁ…」
子供の様な可愛らしい笑みを浮かべているのに、物騒な発言が飛び出していることでそれは不気味としか言い様のない。
改めてあいつこと薬屋大助という顔を見たことがない人物に、紅也は心の中で合掌した。
二人が教師に呼ばれたのは、それから五分もしなかった。
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