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「それでね、しょーちゃんにも
家の会社に入ってもらってね出世してもらうの」
桜子の進路(?)の話しはどんどん進んでいった
「ちょっと、人の弟の将来勝手に決めないでよ」
冗談だと思い笑いながらそう言った美羽ちゃんだったが
「勝手じゃないよ、しょーちゃんと話して決めたことだもん」
「マジで…?」
桜子がケロリとそう言ったことで
さすがに口の端をひきつらせた
「うん、『そーしないと、きっとパパと兄様にお見合い結婚させられる』
っていったら解ったって頷いてくれた♪」
「「………」」
嬉しそうにそう話す桜子を私と美羽ちゃんは黙って見つめる
泣きながら翔くんにそう訴える桜子が容易に想像出来る
それは将来や夢を語り合うほのぼの高校生カップルとはほど遠い光景
しかしそれが大袈裟なただの脅し文句ではなく
近い将来、起こり得るかもしれない事だから恐ろしい
やっぱり『お嬢様』っていうのは何かと不自由なようだ
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