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「あいつも面倒な女に引っかかったよなホント」
そう言って双子の片割れの将来を案じ
美羽ちゃんが深い溜め息をつくと
「ひっどーい本人の目の前で面倒とか言う~!?」
またまた頬を膨らまして怒る桜子
私はその光景を笑いながら見つつ
心の中では話しの流れを変えてくれた桜子に感謝しほっとしていた
正直なところ、自分の進路の話しはまだしたくなかった
勿論、『就職したい』と言った気持ちは本当
早く社会に出て自分で稼いで…自由になりたい
その発想自体が迫り来る現実から逃げていることも
そんな自分の考えが通る程、簡単な話しじゃないこともわかっている…
まだワイワイと騒いでいる二人の親友を見やる
本当は自分が抱えてるこの爆弾のような不安を二人に話したい
でもそれは自分がずっと皆に隠していたことを明らかにするということで…
…やっぱり今は話せない
私はギュッと瞼を閉じた
「どうしたの瑠美花?」
「お腹でも痛い?」
私の異常に気づいた二人が心配気に見つめている
「ううん…なんでもないよ」
私は誤魔化すように笑ってクッキーに手を伸ばした
ふと手にとったのはマーブル模様のクッキーだった
進路・将来・現実・秘密・友達・恋
色んな悩みがグルグルしてる私の心
少し似ているけど残念ながら
クッキーみたいに甘くはない
こんな時ふと浮かぶのはリオの顔
話し聞いてもらいたいな
…晩御飯、家に来るなら話す時間あるよね
よし、強がるのはやめた
部活終わったら聞いてみよう!!
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