1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ママは知ってるの?
今日のことっていうか一連のこと」
「………」
パパは無言だったがその顔が更に青ざめたのが充分な答えだ
まぁ予想はしていたことなので
そのことでどうとは思わない
大体パパがこんな大事、直接ママに言えるわけない
私を懐柔させてからと考えるに決まっている
まぁそこがママの逆鱗に触れるのが間違いないのだが
「パパが悪いんだからね…」
私はそれだけ言ってまたそっぽを向いた
でも流石のパパだっていつまでも弱気ではいられないらしい
「なぁ瑠美花…どこか店に入らないか」
「………」
「ちゃんとお前と向き合って話しがしたいんだ」
私は大きく息をついた
話しを聞くという条件で車に乗った以上
そうしないと道理が通らない
「…ケーキセット奢ってくれるなら…」
本当はケーキなんて食べたい気分じゃなかったが
自分の中で話しを聞く理由がほしかった
「本当か!?この辺りなら…よしあの店にしよう
あそこのケーキは格別旨いぞ」
一気に喜びで顔をいっぱいにしたパパを見て
この浮き沈みの激しさに親子を感じさせられるのが
何だか虚しくなる
「いっとくけど話しを『聞く』だけだからね」
それだけはっきりと付け足した
最初のコメントを投稿しよう!