苦悩のケーキセット

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「ママは知ってるの? 今日のことっていうか一連のこと」 「………」 パパは無言だったがその顔が更に青ざめたのが充分な答えだ まぁ予想はしていたことなので そのことでどうとは思わない 大体パパがこんな大事、直接ママに言えるわけない 私を懐柔させてからと考えるに決まっている まぁそこがママの逆鱗に触れるのが間違いないのだが 「パパが悪いんだからね…」 私はそれだけ言ってまたそっぽを向いた でも流石のパパだっていつまでも弱気ではいられないらしい 「なぁ瑠美花…どこか店に入らないか」 「………」 「ちゃんとお前と向き合って話しがしたいんだ」 私は大きく息をついた 話しを聞くという条件で車に乗った以上 そうしないと道理が通らない 「…ケーキセット奢ってくれるなら…」 本当はケーキなんて食べたい気分じゃなかったが 自分の中で話しを聞く理由がほしかった 「本当か!?この辺りなら…よしあの店にしよう あそこのケーキは格別旨いぞ」 一気に喜びで顔をいっぱいにしたパパを見て この浮き沈みの激しさに親子を感じさせられるのが 何だか虚しくなる 「いっとくけど話しを『聞く』だけだからね」 それだけはっきりと付け足した
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